山梨県の雑学

「ドラゴンパーク」と「竜王町」の由来と紅葉

「ドラゴンパーク」と「竜王町」の由来

山梨県の甲斐市には「ドラゴンパーク」という少し変わった名前の公園があります。

と言っても、ドラゴンパークというのは愛称で、正式名称は「赤坂台総合公園」と言います。

一体なぜ「ドラゴンパーク」という物々しい愛称なのかと言うと、それは公園のある「竜王(りゅうおう)」という地名に由来します。

甲斐市に合併する前は、この辺りは竜王町だった(今でも名前は残っています)のですが、それにしても、この「竜王」という名前もまた凄い地名です。

山梨に住んでいると、当たり前のように竜王と呼んでいたので特に違和感がありませんでした(「竜王のおじさん」もいます)が、むかし週刊誌の漫画の読者投稿コーナーに、「山梨に“竜王町”というドラゴンクエストの世界のような町があった」という声が載っていたことがあり、なるほど、言われてみれば不思議な名前だな、と子供ながらに納得しました。

そう考えると、「竜王のおじさん」も、なんだか優しくて強そうです。

竜王の歴史は結構古く、中世の頃から「竜王」という呼び名があったようです。

戦国期には甲斐国内を統一した守護武田氏により釜無川の治水工事が行われ、御勅使川の治水と平行して信玄堤が築造される。堤防管理のため棟別役を免除された人々が定住し、竜王河原宿が成立する。竜王河原宿は西郡道や信州道へ通じる宿としての機能を果たした。

出典 : 竜王町(山梨県)


この竜王という地名は、有富山慈照寺に湧く「竜王水」に由来するという説が有力です。

それでは、なぜ竜王水は竜王水と呼ばれるようになったのでしょうか。そこにはやはり「竜王」らしい伝説めいた逸話があるようです。

古い伝承によれば、信玄堤の北にある高岩の下の、通称「竜王(りゅうおうたん)」と呼ばれる深い川の底に、悪竜が棲んでいたのですが、その悪竜を、禅師が善を説くことで更生させます。

翌晩、竜王の主が白髪の翁となって現れ、礼を述べると、次の日の朝、かねてより禅師が願っていた通り清水が湧き出るようになったのだとか。

じゃあ、そもそもなぜ竜王と呼ばれていたのか、ということまでは残念ながら分かりませんでしたが、悪竜が棲み着いていることからそう呼ばれるようになったのかもしれません。

いずれにせよ、こうした経緯からこの地は竜王町と呼ばれ、また竜王の地にある公園が「ドラゴンパーク」という愛称で呼ばれるようになったようです。

僕自身、「ドラゴンパーク」と呼ぶのが普通で、「赤坂台総合公園」と呼んだことはありません。

紅葉がきれいな公園

僕がドラゴンパークに最後に行ったのは、今から10年近く前のこと。

ちょうど秋の紅葉の季節で、両親と一緒に行ったのですが、とにかく景色がきれいで、ここに立って眺めると、山梨の山並みはほんとうに美しいなと改めて再認識させてくれます。

ドラゴンパークと紅葉
長い木の橋は竜を模したものでしょうか

のどかな山梨の風景

紅葉

ドラゴンパークには、子供がどれだけ走っても走りきれないくらいのだだっ広い芝生や、高さ33メートルの展望塔があり、南に富士山、北に八ヶ岳と、甲府盆地を一望することができます。

親子で遊ぶのにおすすめの公園です。